歯と子育て6(3歳以降Ⅲ)
歯と子育て6(3歳以降Ⅲ)
現在、歯科医師の間で問題になっているが、子どもたちの姿勢の悪さです。
食事は あごと首に付いている筋肉をフルに使う咀嚼運動です。
咀嚼運動には頭部や上半身をしっかり支える全身の筋力が必要です。
小学校での歯科健診も行う歯科医、倉治ななえ先生の心配は、今の子どもたちの腹筋や背筋、特にインナーマッスルと呼ばれる体の内側の筋肉が弱いことだそうです。これは激しい運動に必要な筋肉と違い、身体を固定しつまり動かないための筋肉です。
倉治先生によると、「首がガクンと前に出て下あごが下がり、口をポカンと開いた脱力系の姿勢が増えています。左右どちらかに寄りかかったり、首が傾いたり、よく噛む以前に自分の姿勢を支えられないのは深刻な問題ですね」。
姿勢の悪さは噛む力に直接影響します。
背筋と首をまっすぐ伸ばした状態と、頭を落として背筋を丸めた状態で口をバクバクしてみると、首を伸ばした方があごを動かしやすいのがわかるとおもいます。さらに悪い姿勢が習慣化して、あごや噛み合わせがズレたり、それが原因でさらに姿勢が崩れる悪循環にも発展します。
倉治先生が実施した調査では、ダイニングテーブルでの食事の際、子どもの足がブラブラしている場合と、踏み台に足を置いた場合の噛み方を比較しました。
結果は踏み台を使った方が、噛む力、噛む面積、噛む回数も約15~20%アップし、姿勢が安定しなければ、同じものを食べても噛む効果を十分に得られないことが明らかに。子どもたちの筋力低下は、正しく噛む習慣をつくる上で、想像以上の大きな障害なのです。
倉治先生が提案する手軽な解決策は、まず歩くこと。
「姿勢を保つインナーマッスルは、歩くことでも鍛えられます。歩くことはあごの発育にもおすすめなので、生活にどんどん取り入れてみてください」。
食べるとき、口を上手に動かせる婆勢は
上体をやや前に倒し気味の姿勢で、肘や膝の関節がlまぼ直角になって、足底がしっかりと床に接した姿勢です。
このような姿勢のとき、しっかりと噛むことができます。体の大きさに合った高さの机と椅子が理想的です。
コップから上手に飲む
飲む量を調節してこぼさずに飲むポイントは、顔を上に向けないようにして、コップを傾け、上唇を浸しながら飲むことです。
ペットボトルから直接飲むのでなく、コップから飲むことがまず大事なトレーニングです。
家族一緒の食事で食べ方のマナーを学びましょう
あごの発育がよい子どもたちに共通する生活習慣
・早寝早起き
・朝から食欲がある
・3度の食事をたっぷり取る。
・1回に食べる量が多い
・空腹が我慢できる
・好き嫌いが少なく、何でもよく食べる
・歩くことが好き
・腹筋や背筋が発達している
・外遊びが好きで、毎日十分に列で遊ぶ
・姿勢がよい。またはよい姿勢を保てる
・休日に家族で出かけるとき、車を使わないことが多い
・アウトドア派で野外に行くことが多い
・食事のときテレビを見ない
参考文献
食育と子供の健康 財団法人8020推進財団
倉治ななえ「子育て歯科 キレる理由は歯にあった」
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