舌がピリピリ、ヒリヒリ ~舌痛症~

以下はフィクションであり物語です 。

あるところに中年の女性がいました。
どちらかといえば生真面目な女性は最近何となくストレスがたまっています。

ある朝、
舌の先端や縁がヒリヒリするのが気になって、洗面所の前で舌をベーと出して覗き込みました。
今まで自分の舌なんか気にも留めたことがないし、見たことがなかったのですが、初めてみる舌は何か赤みがかって、ぶつぶつが出来ているし、表面には白い苔のようなものが生えていて、しかも何箇所も切れたように、溝が出来ています。

「何か悪い病気ではないかしら?」
「ガン?」

 急に心配になった女性は近くのお医者さんに見てもらったのですが、お医者さんは「あまり心配ないのでは。」と言われ、ビタミン、亜鉛不足と言われて、お薬をくださいました。
それでも、ピリピリ感はあまり変わりません。
そういえば最近、料理の味付けも、味覚が感じにくくなったような気がします。
気になりだすと、なんだか声がうまく出てなくて、上手にしゃべれてないような気がしてきました。

ますます気になる女性は入れ歯があっていないのではないかと思い、今度は歯医者さんに見てもらいました。
骨粗しょう症、不眠症、など日ごろ様々な症状でお悩みの女性は たくさんのお薬を飲んでいたので、その影響からか唾液の量は多少すくなかったのですが、正常の範囲内でした。
歯医者さんは「そんなに鋭利な歯はないのだけれど・・・」と首をかしげながらも奥歯の舌と接する部分を磨いてくれました。

それでも、状況は良くなったり、悪くなったり一定しません。
気になりだしたら、ますますヒリヒリするので、舌の先端を歯に押し付けてみたりすると、ますますヒリヒリします。前歯の裏側や先端のデコボコがますます気になるようになりました。
でも不思議なことに食事の時はそれほどではありません。物事に熱中している時は痛みを忘れています。
 「舌がん」ではないかと思い、家庭医学書などで読んで、ますます気になりだし、思い悩むようになりました。

このような症状の患者さんは住人のような一般の診療所のレベルを超えています。
もちろん舌癌を見逃していたら大変です。是非一度大学病院などの口腔外科での診察をおすすめ致します。

北海道大学

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