睡眠時無呼吸症候群と歯科
次のような症状はありませんか
○大きなイビキをかく
○日中いつも眠い
○居眠り運転をよく起こしそうになる
○夜間の呼吸停止
○夜中に何度も目が覚める
○起床時の頭痛やだるさ
このような症状のある方は睡眠時無呼吸症候群が疑われます。
睡眠時無呼吸症候群とは睡眠中に何度も呼吸が止まり、ぐっすり眠ることが出来ない病気です。
激しいいびきの後に呼吸が止まることを、家族や友人によって指摘されてわかることがが多いようです。
鶴見大学歯学部内科学講座教授 子島潤教授によると
日本では睡眠時無呼吸症候群の患者が約200万人いるとされるが、見過ごされているケースが多い。また、日本人は欧米人に比べて原因の一つとされる肥満は少ないが、発症しやすい頭や首の形態をしているので注意が必要だ。
無呼吸になる原因の多くが、舌の根もと(舌根)が気道に落ち込んだり、扁桃腺肥大で気道が閉塞する「閉塞型」である。呼吸中枢機能の低下で起こる「中枢型」は少ないとされている。
閉塞型の治療法は、気道の閉塞を防ぐ「鼻CPAP(シーパップ)」という装置の利用が基本である。しかし軽症の人は、マウスピースの一種である「口腔内装置(スリープスプリント)」の使用で、閉塞を防ぐことができる。
睡眠時無呼吸症候群と診断されるのは、呼吸が10秒以上止まる「無呼吸」が、一晩(7時問)に30回以上あるいは1時問当たり5回以上ある場合だ。その中で、軽症は、無呼吸と低呼吸が1時間当たり5~15回発生するレベルをいう。
睡眠時無呼吸症候群が問題をのは、ただ単に呼吸が止まる、眠りが浅くなって昼問眠くなる、といった点だけではない。重大をことは、放っておくと、明らかに死亡率が高くなることだ。
「呼吸が止まって死ぬというのではないんです。睡眠時無呼吸症候群を放置しておくと、脳血管障害や心臓血管障害をどの発作を起こして命を落とす人が増えるということが、いま問題になっています。たびたび呼吸が止まって酸素濃度が下がることで、体の中にいろいろな影響が及んでいきます。それが原因となって動脈硬化が進むために、巡り巡って命を落とすということです」(子島潤教授)
ということだそうです。
睡眠時無呼吸症候群の患者が高血圧や心筋梗塞、脳卒中などを合併するリスクは2~7倍も高いとされているそうです。
しかし、治療方法も確立されておりますので、適切に検査・治療を行えば決して怖い病気ではありません。
病気がわかってしまえば、それほど怖い病気ではありませんが、睡眠時無呼吸症候群という診断まで行き着かずに、日々からだがだるくてきつく、同僚から怠け者のように思われたりする状態が一番不幸なことです。ですから、上記のような症状でお悩みの方はまず検査をしてもらいましょう。
2004年から、内科や耳鼻咽喉科で睡眠時無呼吸症候群と診断された患者は、健康保険が適応される歯科での「口腔内装置」治療が可籠になりました。歯科医単独の診断で作成することはできません。医科・歯科が連携して治療する必要がありますので、詳しくは医師やかかりつけの歯科医にご相談ください。
参考文献;ダイヤモンド健康マガジンNo.7 2008.4.15 ダイヤモンド社