「電動歯ブラシ」ってどうよ?
以前、木村拓哉が「CHANGE」というドラマの中で総理大臣としての忙しさを表現するのに、部屋で電動歯ブラシを使っているシーンがありました。
キムタクがドラマで歯磨きすることで皆さんに歯に関心を持ってもらうことはよいことだと思います。住人がグズグズいうより数億倍の影響力があります。住人が歯磨きしても何にもなりませんが、キムタクは何をさせてもカッコイイですね。
閑話休題、我が家にも電動歯ブラシを使っておられる患者さんが多くなってきました。(住人は現時点で、毛先がシステマで、超音波の電動歯ブラシを気が向いたときに時々使っています。) 次に意外とみなさんがお忘れになっているのは、電動歯ブラシといっても歯ブラシ部分の交換は通常の歯ブラシ同様定期的に行う必要があります。 ブラウンやソニケアーがXX%の歯科医師が使っているとか、推奨しているとかCMで言ってますが「売らんかな」の数字のマジックですので信用してはいけません。住人は歯科医ですがブラウンやソニケアーからアンケートを依頼されたことなど一度もありません。
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そこで、今回は電動歯ブラシについて住人の考えを述べます。
電動歯ブラシもさまざまな種類があります。ブラシ自体が回転するものや音波や超音波を使って汚れを落とすものなどがあります。
家電量販店などで、電動歯ブラシのコーナーにはいろいろな種類の商品が並んでいます。どういう基準でどれを選べばよいか皆さん頭を悩ますのではないでしょうか。
単刀直入に申し上げますが、現時点で住人は電動歯ブラシだけの単独使用をお勧めしていません(通常のハブラシと併用するのであればOK)。
住人は職業柄日本で新しい電動歯ブラシが販売されるたびにチェックしてきました。しかしながら現時点では手でみがいた歯には及ばないと思います。
カメラにたとえると、住人は昔からスライドフィルムで症例写真を撮影してきました。デジタルカメラが発売された当初はとても使えたものではありませんでしたが、近年デジカメの進歩は目覚しく我が家でもほぼデジタルカメラに移行しました。
現在の電動歯ブラシは数年前のデジカメと考えていただければよいのではないかと思います。
それではなにが問題点はというと
1、それほど時間短縮にならない
2、手で磨くほどはきれいにならない。
点です。
いろいろ試しましたが、歯磨きはプロと自負している住人でも電動はブラシを使っても約10分かかります。
歯周病のかたはもっと時間がかかると思います。さらに、歯並びに問題があったり、歯周病が進行している方の場合は汚れを落としにくくなります。
現時点での歯ブラシが有効と思われる方は、
理想的な歯並びをしているけど歯磨きが全く出来てない方、
手が不自由でうまく歯磨きが出来ない方
だと思います。
使っても無駄とは言いませんが、使っているので汚れは落ちているとは思わないほうがよさそうです。
電動歯ブラシをお使いの方も、ご自分の電動歯ブラシをかかりつけの歯医者さんに持参して、磨き残しなどのアドバイスを受けることをお勧めします。電動歯ブラシを使っても、手の歯ブラシと補助清掃具が必要な方がほとんどだと思います。
本体が安くても、意外とこのランニングコストがかかってしまうのです。
つまり、将来のことはわかりませんが現時点では 手の歯ブラシで今まである程度みがけていた方にとって電動歯ブラシを取り入れるメリットはあまりありません。
浅田真央ちゃんの歯がきれいなのは本人がしっかり磨いているからだと思います。