歯科治療とエコロジー
住人が子どものころは牛乳もビールも瓶でした。母親に連れられて小倉井筒屋に買い物に行ったときなど、地下でビン入りのコーヒー牛乳を買ってもらいゴクゴク飲んで、売り場の熱気で上昇した体温を冷ました記憶があります。今考えると「空き瓶は返して再利用する」というシステムは地球に優しい、かなり優れたリサイクルシステムだったと思います。
さて住人が大学病院に勤務していた時も、門司港で勤務医をしていたころも、コップはメタルのコップ、エプロンは布製でしたが、住人を含めみんなあまり違和感を感じていなかったと思います。「メタルのコップ」といっても「オートクレーブ」という機械で滅菌(完全に細菌を死滅させること)していましたので、理論的には現在の紙コップより清潔だったかもしれません。また、布エプロンもスタッフが毎回洗濯してアイロンをかけていました。今になって思うとコップやエプロンを使い捨てにしてなかったことは感染予防ということではあまり問題なかったのかもしれません。
感染する恐れのある器材の使い捨てに関しては医療人として異論をはさむつもりは毛頭ありません。しかし、急速に使い捨てのエプロンなどが広まった理由は「患者さんが病院に対していだくイメージ」対策としてだったように思えます。例えば「紙コップを使っている病院はすべての点においてクリーンであるだろう」といったイメージを患者さんに持って欲しい医療機関側のイメージアップ作戦だったような気がします。