顎が痛くて口が開かない-顎関節症の原因
前回、顎の関節の構造を中心に顎関節症のお話をしてきました。
今回はその原因です。
原因は、いろいろ考えられます。
◎ 上下の歯の噛み合わせの異常によって関節に症状が出る場合、
精神的緊張やストレスにより異常な食いしばりや歯ぎしりなどがあごの関節に負担を与えている場合、
◎ 生まれつき関節に形や大きさに問題のある人や、関節部に外傷(強い力やけが)を受けたことがある場合、
◎ 精神的なストレスや、心理的な問題で感覚的に関節やかみ合わせに違和感を感じる場合
など、様々です。
なぜか、女性に多く、20~30歳代に多いと言われています。(それ以降の方は、治ったわけでなく、問題を抱えているが、問題があるなりに何とか生活しているといった方が多いのではないでしょうか)
多くの方は多少かみ合わせに問題があったり、歯ぎしりをしていたりしても、その方の許容範囲内であれば、顎関節症として発症せずに無症状で経過する場合もあります。許容量はヒトにより様々です。
コキコキなっていても、まったく気にならず、口が開きにくくなったりせずに経過する方も多くいらっしゃいます。
しかしながら、
様々な原因の総和が許容範囲を超えたり、
何らかの原因で体の許容範囲が狭くなってしまった場合、
顎関節症として発症することになります。
それでは、どのような場合、治療が必要なのでしょうか。
それぞれの医師で、考え方は違うと思いますが、住人は
◎ 痛くて口が開かない(疼痛)、
◎ 口が開かなくて食事ができない(開口障害)、
など現実的に我慢できない不具合が在るのであれば、
治療した方がよいと思いますが、いずれにしてもあまりあわてないほうがよいと思います。
口が開かないまま、食事ができずに餓死した人は 今までいないのではないかと思います。
詳しくは専門医にご相談下さい。
あわてないほうがよい理由は他にも、
◎ 100%結果が保証されている。(100%治る)病気でもありません。矯正治療をしたりかぶせ物をしたり、費用がかかるかもしれません。
◎ 治療後のかみ合わせを維持するために健全な歯を削って冠をかぶせないといけないかもしれません。
◎ 一時的にかみ合わせが不安定になり、どこで噛んで良いかわからなくなり、益々精神的に不安になるかもしれない。
ので、顎関節症の程度、治療のデメリット等を理解したうえでないと、お勧めしません。
信頼のおける歯科医と十分相談のうえ治療を開始するのは言うまでもありません。
かみ合わせが不安定だと、何かしら気分的にも落ち着かず、違和感が強い場合など気にになりだしたらますます気になる患者さんのお気持ちは十分お察しいたします。
我が家でもマウスピースを入れることで症状が改善される方もいらっしゃいます。一度歯科医にご相談されてみてはいかがでしょうか。
最初に書きましたが、顎関節症は、症状や程度が個人によって様々です。
紙面の都合と、住人の知識の都合で十分言い尽くせていません。
顎関節症は 今現在もいろいろと論議の多い疾患で、考え方も変化を遂げつつある分野です。実際、解明された病気ではないようですし、それらをヒトくくりにするのは危険です。
このブログをご覧になって納得せず、歯科医に実際の口の中を診察してもらうことをお勧めします。
以上は住人の一つの意見として、ご理解下さい。
つづく